結論:Airbnbの手数料は「必要経費」ですが、全額が必要とは限りません
「毎月Airbnbからの入金を見るたびに、手数料の分だけ何となく気になる」——富士五湖エリアで宿泊施設を運営されているオーナーさんから、よくお聞きする感覚です。
先に結論からお伝えすると、H-Webが2026年8月に富士五湖エリアのAirbnb掲載施設56件を独自に調べたところ、自社サイトを持たない施設は44件、全体の78.6%にのぼりました。裏を返せば、多くのオーナーが「手数料は仕方ないもの」として運営されているということです。あなただけが対策を後回しにしているわけではありません。
ただ、だからこそ差がつく部分でもあります。この記事では、Airbnbの手数料がどういう仕組みで発生しているのかを整理したうえで、自社サイトという選択肢が「何を変えるのか」「どこに落とし穴があるのか」を、自分で作る場合と依頼する場合の両方から具体的にご紹介します。Airbnbをやめる話ではなく、上手に併用する話です。
Airbnbの手数料は、実際いくらか
Airbnbの手数料には、大きく2つの負担方式があります。
| 方式 | ホストの負担 | ゲストの負担 |
| 分担型(スプリットフィー) | 宿泊料金の概ね3%前後 | 宿泊料金に対し概ね14%程度 |
| ホストのみ負担型 | 宿泊料金の概ね15%程度 | 追加の手数料表示なし |
どちらの方式になっているか、また正確な率は、ご自身のAirbnbホスト管理画面や公式ヘルプセンターで必ずご確認ください。手数料率は変更されることがあるため、本記事の数値は執筆時点(2026年8月)の公開情報を目安にした概算です。
なぜ2つの方式があるのか、少し補足します。分担型はホストの表示価格を安く見せられる一方、ゲストが最終的に支払う総額には別途手数料が加算されるため、ゲストからすると「思ったより高い」と感じやすい構造です。一方、ホストのみ負担型は、表示価格の時点で手数料込みの金額になっているため、Booking.comのような手数料非表示型のサイトと価格を比較されたときに見劣りしにくいという利点があります。一棟貸しの宿泊施設は、こうした価格の見え方を揃えるために「ホストのみ負担型」を選んでいるケースが少なくありません。表示価格に手数料をあらかじめ含めてしまう分、ホスト側の負担率は分担型より高くなります。ここでは、わかりやすいシミュレーションとして、ホストのみ負担型(概ね15%として計算)の場合を見てみましょう。
– 1泊30,000円 × 月10泊 = 月商300,000円の場合
手数料(15%):月45,000円 → 年間540,000円
– 1泊50,000円 × 月10泊 = 月商500,000円の場合
手数料(15%):月75,000円 → 年間900,000円
月単位で見ると「まあこんなものか」と感じる金額でも、年間に換算すると印象が変わります。年間54万円、90万円あれば、清掃の外注を増やしたり、設備の修繕に回したりできる金額です。
制作費用の考え方については、こちらの記事で詳しく整理しています。
なお分担型を選んでいる場合、ホスト側の負担自体は3%前後と小さくなりますが、その分ゲストが支払う総額は高く表示されます。どちらの方式でも、手数料そのものは検索結果の見え方や成約率に影響する重要な要素であり、単純に「率が低い方がお得」とは言い切れない点も覚えておいていただきたいところです。これは後述する「自社サイトで価格を自分で決められる」という話にもつながってきます。
富士五湖エリア56施設を調べて分かったこと
調査概要
H-Webでは2026年8月8日を基準日として、富士河口湖町・山中湖村・富士吉田市・忍野村・鳴沢村のAirbnb掲載施設56件を対象に、施設名で公開検索を行い、独自ドメインまたはノーコードツールによる公式サイトの有無を確認しました。
| エリア | 調査対象数 |
| 富士河口湖町 | 18件 |
| 山中湖村 | 14件 |
| 富士吉田市 | 11件 |
| 忍野村 | 9件 |
| 鳴沢村 | 4件 |
| 合計 | 56件 |
結果:78.6%が自社サイトを持っていない
調査した56件のうち、自社サイトを確認できなかった施設は44件(78.6%)でした。1泊単価は5泊料金からの1泊換算で約16,000円〜86,000円と幅があり、決して単価の低い施設だけがサイトを持っていないわけではありませんでした。
これは、多くのオーナーが手一杯であることの証拠だと捉えています。日々の清掃・ゲスト対応・近隣対応をこなしながら、Web制作にまで手を回すのは簡単なことではありません。責められる話ではなく、当然の結果だと思います。
※本調査は公開検索をもとにした限界のある調査であり、「自社サイトが存在しないこと」を完全に保証するものではありません。検索結果に表示されないサイトや、非公開のサイトが存在する可能性もあります。あくまで傾向として捉えていただければと思います。
自社サイトがあると、何が変わるのか
自社サイトを持つことで変わる点を、抽象論ではなく具体的に4つ挙げます。
1. リピーターの再訪でも、手数料が発生している
もっとも見落とされがちな点です。一度泊まって気に入ってくれたゲストが、同じ施設をもう一度予約する場合も、Airbnb経由であれば同じように手数料が発生します。せっかく信頼関係ができたリピーターとの取引にまで手数料を払い続けている、というのが実態です。富士五湖エリアは「毎年同じ時期に同じ施設に泊まる」というリピーターが比較的多いエリアでもあり、この再訪分がまとまった金額になっているオーナーも少なくありません。自社サイトに直接予約の導線があれば、この再訪分だけでも直予約に切り替えていけます。
2. 施設名で検索した人を受け止められる
一度泊まったゲストや、口コミで施設名を聞いたゲストは、施設名でそのまま検索することがあります。このとき自社サイトがなければ、検索結果の入り口はAirbnbやSNSのアカウントしかなく、せっかくの指名検索を直予約につなげる機会を逃してしまいます。自社サイトがあれば、この「施設名検索」という一番成約しやすい瞬間を、手数料のかからない窓口で受け止められるようになります。
3. 予約サイトに書けない情報を載せられる
Airbnbの掲載ページは項目が決められており、周辺のおすすめスポットや、こだわりの設備の使い方、実際の過ごし方のイメージなど、自由な情報を載せるスペースが限られています。自社サイトであれば、こうした情報をゲストの立場に立って自由に発信できます。富士五湖エリアであれば、花火大会や紅葉など季節の見どころ、車がない場合のアクセス方法、近隣の飲食店情報などは、予約サイトの定型フォーマットよりも自社サイトのほうがずっと伝えやすい情報です。

4. 価格を自分で決められる
自社サイト経由の直予約であれば、手数料分を価格に反映させるかどうかを自分で判断できます。ただし、多くの予約サイトには「価格パリティ条項」と呼ばれる、他の販売チャネルより安い価格を提示することを制限する規約が設けられている場合があります。これは各社の規約によって内容が異なり、時期によっても変更されることがあるため、断定はできません。価格設定を工夫する際は、必ずご自身が契約している予約サイトの最新の規約をご確認ください。規約の範囲内でも、直予約限定のキャンペーンや連泊特典など、価格そのものを動かさずに直予約の魅力を高める工夫は検討しやすいところです。
ただし、自社サイトには落とし穴がある
自社サイトを作れば手数料の悩みがすべて解決する、というわけではありません。ここを飛ばして良いことばかり伝える記事は、正直ではないと思います。
ダブルブッキング問題
自社サイトとAirbnbの在庫(空室カレンダー)が連動していないと、同じ日に二重に予約が入ってしまう「ダブルブッキング」が起こります。これは自社サイト運用でもっとも起こりやすく、かつゲストとの信頼関係を大きく損なうトラブルです。
これを防ぐために使われるのが、サイトコントローラーと呼ばれる、複数の予約サイトと自社サイトの在庫・カレンダーを一つの管理画面で一元管理するツールです。どこかのサイトで予約が入ると、他のすべてのサイトのカレンダーが自動で更新されるしくみで、複数施設を運営する事業者ほど導入している傾向があります。

決済手段をどう用意するか
自社サイトで直接予約を受けるには、クレジットカード決済などの決済手段を自分で用意する必要があります。予約サイトのようにキャンセルポリシーの管理や決済トラブルの仲介をしてくれる仕組みがないため、決済代行サービスの選定や、キャンセル規定の整備もあわせて必要になります。銀行振込のみで運用しているオーナーもいますが、外国人ゲストの比率が高い富士五湖エリアでは、クレジットカード決済に対応できないと直予約そのものを選んでもらえないケースが出てきます。
Airbnbをやめるべき理由にはならない
ここまでの内容は、Airbnbをやめるための理由ではありません。Airbnbは、まだ自分の施設を知らない新しいゲストと出会うための入口として、依然として強力なプラットフォームです。併用が現実的な答えであり、「新規はAirbnb経由、リピーターは自社サイト経由」といった役割分担で考えるのが無理のない進め方です。
自分で作る場合の手順
自分で自社サイトを作る場合、大まかな流れは次のとおりです。
1. ドメインを取得する施設名や地名を含んだ、覚えやすいドメインを選びます。
2. サーバーまたはノーコードツールを選ぶWordPressでサーバーを借りる方法と、STUDIOやWixなどのノーコードツールで完結させる方法があります。更新の頻度や、将来的にできることの幅から選ぶとよいでしょう。
3. 最低限必要なページを用意するトップページ、施設の詳細・写真、周辺情報、料金・予約導線、よくある質問、連絡先の6ページ程度があれば十分に機能します。
4. 多言語対応を検討する富士五湖エリアは外国人ゲストの比率が高いエリアです。最初から完璧な多言語対応をする必要はありませんが、英語だけでも用意しておくと、指名検索からの直予約につながりやすくなります。台湾・香港からのゲストが多い施設であれば、繁体字中国語のページを1枚追加するだけでも印象が変わります。すべての言語を一度に揃えるのではなく、実際に多いゲストの言語から優先して整えていく考え方でよいでしょう。
5. 予約導線を作る 自社サイトから直接予約フォームや予約カレンダーにつながる導線を用意します。フォームだけの簡易な形から始め、予約数が増えてきたら予約カレンダー型のシステムに切り替えるという段階的な進め方も現実的です。
予約や問い合わせをLINEで受ける方法については、LINE公式アカウントの活用法 もあわせてご覧ください。
正直なところ、ここまでを一人で形にするには、ドメイン取得から公開まで含めて2〜4週間程度の時間がかかることが多く、多言語対応や予約導線の設計でつまずくオーナーが多い印象です。特に、サイトコントローラーとの連携や決済手段の設定は、Web制作の知識がないと途中で手が止まりやすいポイントです。「まず作ってみて、後から整える」くらいの気持ちで始めるのが現実的です。
依頼する場合の考え方
自分で作る時間が取れない場合は、制作会社に依頼するという選択肢もあります。
制作会社に依頼する場合の相場は、内容によって幅がありますが、簡易的なサイトであれば数万円〜、多言語対応や予約導線・サイトコントローラー連携まで含めると、それ以上になることが一般的です。正確な費用は依頼先ごとに異なるため、複数社に見積もりを取って比較することをおすすめします。
依頼先を選ぶうえで大切なのは、「作って終わり」なのか「運用まで伴走してくれる」のかという違いです。サイトは公開した後、季節ごとの情報更新や、多言語ページの調整、サイトコントローラーの導入・見直しなど、継続的な手入れが必要になります。「制作費」だけを見て安さで選んでしまうと、公開後に更新のたびに追加費用が発生し、結果的に割高になってしまうケースもあります。見積もりを比較する際は、初期費用と運用費用の両方を確認しておくと安心です。
制作費の考え方については、ホームページ制作費用の現実 で詳しく整理しています。
依頼先を選ぶときのチェックリスト
– ダブルブッキング対策(サイトコントローラー連携)まで含めて相談できるか
– 多言語対応の考え方を説明してくれるか
– 公開後の更新・運用サポートがあるか、それは別料金か
– 富士五湖エリアの宿泊業の事情を理解しているか
– 見積もりの内訳が明確か
私たちH-Webも、富士五湖エリアで宿泊施設を運営される方向けに、自社サイトと予約導線の構築をお手伝いしています。作って終わりにせず、運用まで一緒に考えることを大切にしています。
Googleマップ(Googleビジネスプロフィール)の整備も、施設名検索から予約につなげる有効な手段です。→ GBP登録の記事
まとめ
Airbnbの手数料は、プラットフォームを使わせてもらう以上、必要経費であることは間違いありません。ただ、その全額が「絶対に必要」というわけではなく、リピーターの再訪分など、自社サイトに置き換えられる部分は確かに存在します。
まずは、自分の施設が年間でどれくらいの手数料を払っているのか、一度計算してみることをおすすめします。月商×手数料率×12か月、というシンプルな計算だけでも、見え方が変わってくるはずです。
その上で、自分で小さく始めてみるのか、依頼して整えるのかを考えていただければと思います。最初から完璧なサイトを目指す必要はありません。小さく始めて、少しずつ育てていけば十分です。
「自分の施設の場合、どこから手をつければいいか分からない」という方は、下記から無料でご相談いただけます。
– まず年間の手数料額を計算してみたい方へ:無料診断フォーム → https://hirokazu66.com/shindan/
– LINEで気軽に相談する → https://line.me/R/ti/p/@570knitd


コメント